サイバーエージェントFXのキャッシュバック金請求事件

サイバーエージェントFXのキャッシュバック裁判

現在でも顧客獲得のために、FX会社は口座開設や取引高に応じて高額の現金キャッシュバックやポイント還元を積極的におこなっています。しかし中には、難癖のような理由でキャッシュバックや還元に応じなかったりすることもあります。今回は、キャッシュバックの是非が争われた裁判について見てみましょう。

裁判の概要と判決

訴えをおこされたのは、サイバーエージェントFX(現在のYJFX)が月替りで実施していたキャンペーンとその実施についてです。2013年5月の1ヶ月間、キャッシュバックキャンペーンとして取引額に応じた金額をキャッシュバックするというキャンペーンを実施、キャンペーン自体は問題なく実施されました。しかし、訴えをおこしたトレーダーの取引について、サイバーエージェントFXはツールを使った不正な取引であると判断、キャンペーン期間中の5月末に口座の強制解約をおこない、キャッシュバックも口座が存在しないという理由で拒否しました。トレーダー側はこの判断を不服としてキャッシュバック金額となる190万円の支払いを求めて裁判をおこしたのです。

この裁判では、トレーダー側が実際にツールを使って取引をしていたのかというごく基本的な点から争われました。判決では他のトレーダーと同様、他社のチャートや手動の取引に過ぎず、ツールを利用した取引ではないと認められ、約款に定められた「ツール等取引」には当たらず、口座の強制解約など強い措置をおこなう必要は一切ないとされました。
結果としてこの裁判はトレーダー側の訴えが認められ、キャッシュバック金額の190万円の支払いとその利息、裁判費用も含めて全てFX会社側の負担になるなど、トレーダー側の全面勝訴と言える内容となりました。

FX会社側のモラルの問題?

この裁判を起こしたトレーダーは、判決文の中でも数秒程度の取引を繰りかえすスキャルピングをメインとしていたことが明らかにされ、1回の金額が大きかったことから大きな収益をあげていたとも言われています。そのためFX会社側のカバー取引が間に合わず、FX会社側に無視できない損失が生じていたため、FX会社はこのトレーダーの排除に動いたとも考えられます。FX会社はあまりに大きな利益を出しているトレーダーについてはあの手この手で閉め出しを図っているとも言われ,FXトレーダーの間では暗黙の了解として、FX会社は一定の条件下で「ロスカット刈り」や「スリッページの意図的な操作」などのトレーダー側に不利な取引を実現するための手段を駆使しているとも言われています。FX会社側の全面敗訴となったこの裁判と判決は,不透明感が高まる店頭取引にメスを入れたことから、FX会社やトレーダーを問わず、FXに関わりのある人々から大いに注目された裁判と言えるでしょう。

おわりに

自ら高い頻度での取引を進めるキャンペーンを実施しながら、実際に利益が出るほど取引をしているトレーダーの排除に動くなど、不透明な方針を維持しているFX会社に対して、今回の判決は楔を打ち込むこととなりました。
しかし、全体としての流れは現在でも変わらず、公然とロスカット刈りやスリッページの操作といった手段の存在が語られています。
このようなトレーダー側に不都合なしくみを排除するためには、トレーダー側が積極的に圧力をかけていくことが欠かせないと言えそうです。